サッカーの読みもの

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“神童”久保建英は具体的に何がすごいのか?

Jリーグの試合でそこまで活躍しているわけではない>

 FC東京U-18に在籍し、5月20日に韓国で開催されるU-20ワールドカップにも参戦する久保建英。「バルサ育ち」という看板がメディアの興味を引き、Jリーグのピッチに立っただけでビッグニュースとして取り上げられる、まさに“時の人”だ。

 

 ただ、正直、久保建英の何がすごいのか、サッカーを知らない人が見ても分かるのだろうか。実際、昨年11月にJ3デビューしてから今年に入ってルヴァンカップの札幌戦や大宮戦にも出場しているが、そこまで活躍しているかと言えばそうではないだろう。

 

 17年4月15日に行なわれたJ3のFC東京U-23セレッソ大阪U-23Jリーグ最年少ゴールを確かに決めた。ただ、相手は同じ「U-23」のチーム。J1やJ3の他のクラブよりも年齢層が低いクラブとの対戦で決めたゴールであり、久保が「J1リーグでも通用する」という証拠にはなりえない。

 

<末恐ろしいのは…>

 

 もちろん、15歳でJ最年少ゴール記録を決めた実績は素晴らしい。ただ、久保の巧さをひと言で説明しろと言われると難しい。利き足の左足がすごいのはなんとなく想像できる。でなければ、バルサの下部組織で活躍できるわけがないし、それはすごいうちに入らない。

 

 久保の出場試合を何試合か見ているうちに気付いたのは、頭の良さ。さすがにフィジカルでは勝てないが、それを補う戦術的インテリジェンスなるものを持っているように感じる。ボールのもらい方、ポジショニングの良さは15歳のそれではない。見た目には分かりにくいが、すでに頭の中では「プロのサッカー」を描けていそうだ。

 

 インタビュー映像を見ても、頭の良さは分かる。15歳であれだけ冷静にメディアの人たちの質問に答えられるとは……。末恐ろしいのは、記者の質問に対し「えー」とか「うんとー」とか、そういうものを挟まずに、しっかりとした言葉で返すところである。

 

 プロでも通用するフィジカルを手にしたとき、久保建英はいったいどんな怪物になるのか。楽しみだ。