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【日本代表】本田圭佑はもう要らない?

本田を呼ぶようなら、「えこひいき」と非難されても…>

 

 5月25日、6月のW杯予選に臨む日本代表のメンバーがメンバーが発表される。そこで焦点のひとつになるのが、果たして本田圭佑は招集されるのか、だろう。

 

 所属先のミランでは相変わらず出番に恵まれず、今季のセリエAでの出場時間は36節を終えてわずか99分。37節のボローニャ戦でFKを直接決めてニュースになっていたが、冷静に見ればヴィンチェンツォ・モンテッラ監督の下で本田は構想外に近いような状態だった。

 

 そんな選手が代表チームに必要なのかと、ただ単純にそう思う。

 

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は3月のW杯予選で本田を招集した時、「彼の経験が必要だったから」とコメントしている。しかし結局のところ、そのUAE戦とタイ戦ではベンチスタート。決定的な仕事をやってのけたかと言えばそうではない。

 

 クラブでも代表でも結果を残していない以上、代表から落選しても違和感はない。もし6月のW杯予選でハリルホジッチ監督が本田を呼ぶようなら、「えこひいき」と非難されても致し方ない。

 

<本田のよりコンディション良いFWはたくさんいる>

 

 そもそも、本田はハリルホジッチ監督の縦に速いサッカーに疑問をなげかけてきた印象がある。アジアレベルならもっとボールをつないでいく戦術が効果的ではないか、と。さすがにそこまでダイレクトに表現していないが、“ハリルホジッチ批判”と取れるコメントは過去に何度か報道されている。

 

 縦に速いサッカーと、本田との相性は決して良くない。どちらかと言えば、足もとでボールをもらってリズムを作る本田に対し、ハリルホジッチ監督はそういうプレーをあまり求めないスタンスだ。いずれ反乱分子になる恐れがあるなら、この段階でスパッと切る勇気も必要ではないだろうか。。

 

 FW陣を見れば、大迫勇也(ケルン)を筆頭に、岡崎慎司(レスター)、久保裕也(ヘント)、原口元気ヘルタ・ベルリン)、小林悠(川崎)、齋藤学横浜FM)、さらにマインツで活躍する武藤嘉紀など、本田よりコンディションの良い選手はたくさんいる。

 

 本田はベンチで盛り上げるような選手でもない。かつて、フィリップ・トルシエ監督が日韓W杯で中村俊輔をメンバーから外した理由のひとつも、「ナカムラがベンチにいると暗くなるから」というものだった。

 

 各クラブの主力級が集まる代表チームの性質上、扱いが難しいのはベンチメンバーだ。「なぜ俺が使われないんだ」という不満がチーム全体に伝染し、しいては悪いムードを作ってしまうこともある。当時のトルシエが中村ではなく、秋田豊中山雅史を日韓ワールドカップのメンバーに選んだのもなによりチームを考えてのことだった(秋田や中山はムードメーカーとしての役割をまっとうした)。

 

 代表チームで言うなら、ムードメーカーは本田より槙野智章(浦和)。残念ながら、本田の居場所はなさそうだ。