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【17.5.25 ハリルホジッチ監督コメント③/選出理由MF編】「今野のような選手が必要です」

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 photo by muo1417

 

 6月7日のシリア戦、13日のイラク戦に向けた日本代表メンバー発表のハリルホジッチ監督のコメント②からの続きとなる<選出理由MF編>を紹介する。

 

<選出理由MF編>

「皆さんがあまり知らない選手も入っていますね。遠藤(航)は後ろの真ん中気味でプレーしていますね。現在もっともデュエルで勝っているディフェンダーかもしれません。イラクのようなフォワードが強いチームには、浦和でも良いパフォーマンスを見せています。

 

 今野が少し確信を持てません。もう2か月も立っていますが、クラブの方とメディカル、テクニカルスタッフと密に関係を持って、怪我を治療しながらトレーニングを進んてもらっています。すでにボールを使ったトレーニングをしていると聞いています。

 

 我々のスタッフもクラブの方々と密に連携を取っています。もしかしたら5月28日当たりに練習試合があるかもしれないということで、そこで45~60分くらい出てくれればと願っています。6月4日のJリーグの試合(アウェーの磐田戦)におけるパフォーマンス次第で、次のシリア戦で使えるかという感じです。イラク戦には間に合ってほしいです。

 

 今野のような選手が必要です。中盤での存在感があり、守備、攻撃、ヘディングも上手い選手です。今野のような選手はたくさんはいません。クラブと連係しながら、彼を向上させるように努めています。

 

 皆さんがあまり知らない加藤(恒平)は、ほぼ1年かけて追跡してきました。現地で4試合見ましたし、ビデオも見ています。彼の役割はボールを奪うことです。それからしっかり組み立てもできる。このような若い選手をテストしてみたいです。ただ、すぐにプレーさせるわけではありません。お互いを理解する時間が必要です。今野がまだどうなるか分からないので、もしかしたら彼が必要になるかもしれません。奪うところでアグレッシブに戦える選手ですからね。28歳で経験もあります。

 

 (香川)真司はカップ戦のファイナル(5月27日にフランクフルトと)が終わったら帰ってきます。倉田(秋)はかなりの可能性がある選手です。戦術的な面ですね。変化を加えてくれれば、それが上手く行くはずですし、守備もボールを奪うところもしっかりやってもらいたい。時々ファウルをし過ぎるところがあるので、そこは改善してもらいたい。清武(弘嗣)との競争でしたが、この試合では倉田を選びました。

 

 井手口(陽介)は中盤のいろんなポジションができる。今野の状態次第ですが、井手口も向上を続けています。伸びしろを感じる選手です。これからもしっかりとトレーニングして周りの選手にプレッシャーをかけてほしいですね」

 

 (日本サッカー協会Youtube公式チャンネルで生中継された会見で、ハリルホジッチ監督が話した言葉をもとに構成したもの)

 

 ちなみに、今回招集された25人のメンバーは以下のとおり。

GK
川島永嗣(メス)
東口順昭ガンバ大阪
中村航輔柏レイソル)★
DF
長友佑都インテル
槙野智章浦和レッズ
三浦弦太ガンバ大阪)★
吉田麻也サウサンプトン
酒井宏樹マルセイユ
酒井高徳ハンブルク
昌子源鹿島アントラーズ
宇賀神友弥浦和レッズ)★
MF
倉田秋ガンバ大阪
香川真司ドルトムント
山口蛍(セレッソ大阪
遠藤航浦和レッズ
今野泰幸ガンバ大阪
加藤恒平(PFCぺロエ・スタラ・ザゴラ)★
出口陽介(ガンバ大阪
FW
岡崎慎司(レスター)
本田圭佑ミラン
大迫勇也(ケルン)
原口元気ヘルタ・ベルリン
久保裕也(ヘント)
浅野拓磨シュツットガルト
乾貴士(エイバル)
?
★=A代表初選出
※招集メンバー、在籍クラブは5月25日現在。

 

 今回ハリルホジッチ監督はそれまで代表の常連だったGKの西川、センターバックの森重、MFの清武弘嗣らを外す一方で、GKの中村、CBの三浦、サイドプレーヤーの宇賀神、ボランチの加藤を初招集。シリアとのフレンドリーマッチで彼らをテストしたい意向もあるからだろうが、意外な人選と言えた。

 

 気になるのはコンディションが整っていないという今野と乾がイラン遠征(イラク戦はテヘランで行なわれる)に帯同できるかだ。もし厳しい場合は、バックアップメンバーから代役が選ばれる予定だ。

 

 ちなみに、日本はアジア最終予選の7節を終えてグループBの首位に立つ。グループBの順位と勝点は以下のとおり。1位/日本(勝点16)、2位/サウジアラビア(勝点16)、3位/オーストラリア(勝点13)、4位/UAE(勝点9)、5位/イラク(勝点4)、6位タイ(勝点1)。

 

 イラク戦に勝ってもまだワールドカップ出場は決まらない。そういう状況もあって、ハリルホジッチ監督は「本番はこれから」的なニュアンスのコメントを今回の会見でしていた。

 

 日本はイラク戦の後に、ホームのオーストラリア戦、アウェーのサウジアラビア戦が控えている。最後に中東勢との一戦を残していることで、ハリルホジッチ監督は6月13日のイラク戦では必勝を掲げている。

 

 6月7日のシリアとのフレンドリーマッチで初招集組の誰が使われるのかも注目ポイントのひとつになるだろう。