【17.5.25 ハリルホジッチ監督コメント⑤/質疑応答編①】「(柴崎)岳も忘れていませんよ」
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6月7日のシリア戦、13日のイラク戦に向けた日本代表メンバー発表のハリルホジッチ監督のコメント④からの続きとなる<質疑応答編①>を紹介する。
<質疑応答編①>
質問:今野(泰幸)選手の状況についてもう少し詳しく教えてください。またリハビリ中の長谷部(誠)選手は今回の合宿になんらかの形で関わるのでしょうか?
「今野とは午前と午後に連絡を取っています。できるだけ早くプレーをしてほしいと期待しています。イラク戦の前に2、3試合をこなしてほしい。ここまで2か月の間プレーしていませんが、攻守に渡ってものすごく運動量がある選手です。
今野はテクニックで相手を凌駕するより、フィジカルで相手を凌駕する選手です。45~60分プレーしてもらって、シリア戦で様子を見たいです。そこでのプレー次第でイラク戦への準備ができているかどうかが分かります。ガンバ大阪のスタッフの方も協力的で、クラブも代表も一緒になって良いパフォーマンスを出したいと思っています。
長谷部は、我々に同行しない予定です。すでにトレーニングをしていますが、ちょっと無理をして痛みを感じていると聞いています。今は今は運動を辞めてという感じですが、長谷部に関して不安はありません。彼の経験やメンタリティを知っていますから、次は大丈夫だと思います。
内田には不安があります。不在の期間が長かったですよね。またハイレベルのパフォーマンスを取り戻すのは、もしかしたら難しいかもしれない。内田は本当に素晴らしい能力を持った選手ですから、早くパフォーマンスを取り戻してほしいですね。その日を心待ちにしています」
質問:加藤(恒平)選手の特長を改めて説明していただけますか? また、監督は実際に加藤選手と会ったのでしょうか、会っていたら、その時の会話を教えていただけますか?
「加藤のことは約1年追跡しています。4回ほど我々のスタッフが現地に行って視察しました。少し(山口)蛍に似ていますね。アグレッシブで良い組み立てもできます。攻撃のところで良いパスを出せます。守備の修正役も担える選手です。ただ、蛍よりパワーはありません。
(ボランチでは)いろいろな選手を試してきました。前回は髙萩(洋次郎)、それから(小林)祐希もトライしました。もちろん(柴崎)岳も忘れていませんよ。最近の良いパフォーマンスは嬉しいです。永木(亮太)もいますね。今回、私は直接見て加藤の能力を確認したいということです。すぐにプレーさせるのではなく、知りたいということです。何があるかわかりませんよね。怪我があるかもしれません。だから他の選手も考えています。
祐希は(へーレーンフェーンで)ずっと先発ですよね。彼ともディスカッションをしています。祐希は守備でアグレッシブにボールを奪うところが課題で、テクニックは悪くないですよね。ただ、アウェーでのイラク戦です。グラウンドも悪い状態のままかもしれない。だから今回は、ボールを奪うところでアグレッシブに行ける選手が必要です。そういったことを踏まえてこういった選手を呼んでいます。
ただ、彼らが代表に定着するかは分かりません。競争があるので、より可能性の高い選手を呼ぶトライを続けるだけです。中盤は普通6人ですが、7人目として加藤を呼びました。他の選手を忘れたわけでは決してありません。大島(僚太)も忘れていませんよ。残念ながらまた怪我をしたと聞いています。ただ、その前まではかなり良いプレーをしていました。このポジションには良い選手がたくさんいます」
(日本サッカー協会のYoutube公式チャンネルで生中継された会見で、ハリルホジッチ監督が話した言葉をもとに構成したもの)
ちなみに、今回招集された25人のメンバーは以下のとおり。
GK
川島永嗣(メス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)★
DF
長友佑都(インテル)
槙野智章(浦和レッズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)★
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(マルセイユ)
酒井高徳(ハンブルク)
昌子源(鹿島アントラーズ)
宇賀神友弥(浦和レッズ)★
MF
倉田秋(ガンバ大阪)
香川真司(ドルトムント)
山口蛍(セレッソ大阪)
遠藤航(浦和レッズ)
今野泰幸(ガンバ大阪)
加藤恒平(PFCぺロエ・スタラ・ザゴラ)★
井出口陽介(ガンバ大阪)
FW
岡崎慎司(レスター)
本田圭佑(ミラン)
大迫勇也(ケルン)
原口元気(ヘルタ・ベルリン)
久保裕也(ヘント)
浅野拓磨(シュツットガルト)
乾貴士(エイバル)
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★=A代表初選出
※招集メンバー、在籍クラブは5月25日現在。
今回ハリルホジッチ監督はそれまで代表の常連だったGKの西川、センターバックの森重、MFの清武弘嗣らを外す一方で、GKの中村、CBの三浦、サイドプレーヤーの宇賀神、ボランチの加藤を初招集。シリアとのフレンドリーマッチで彼らをテストしたい意向もあるからだろうが、意外な人選と言えた。
気になるのはコンディションが整っていないという今野と乾がイラン遠征(イラク戦はテヘランで行なわれる)に帯同できるかだ。もし厳しい場合は、バックアップメンバーから代役が選ばれる予定だ。
ちなみに、日本はアジア最終予選の7節を終えてグループBの首位に立つ。グループBの順位と勝点は以下のとおり。1位/日本(勝点16)、2位/サウジアラビア(勝点16)、3位/オーストラリア(勝点13)、4位/UAE(勝点9)、5位/イラク(勝点4)、6位タイ(勝点1)。
イラク戦に勝ってもまだワールドカップ出場は決まらない。そういう状況もあって、ハリルホジッチ監督は「本番はこれから」的なニュアンスのコメントを今回の会見でしていた。
日本はイラク戦の後に、ホームのオーストラリア戦、アウェーのサウジアラビア戦が控えている。最後に中東勢との一戦を残していることで、ハリルホジッチ監督は6月13日のイラク戦では必勝を掲げている。
6月7日のシリアとのフレンドリーマッチで初招集組の誰が使われるのかも注目ポイントのひとつになるだろう。