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【日本代表】ハリルホジッチ監督の「本田愛」と「Jリーグ軽視」

f:id:treikax:20170601232717j:plainphoto by muo1417

<好調をキープする興梠や小林悠ではなく、なぜ本田なのか>

 

 17年5月25日の代表メンバー発表を受け、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は改めて本田圭佑への“愛”を示した。

 

 この指揮官は選考基準のひとつに「クラブでのパフォーマンスの良し悪し」を挙げながらも、今季のミランでほとんど出番がなかった本田を外さなかった。Jリーグで調子を落としているGKの西川周作、CBの森重真人、MFの清武弘嗣を「パフォーマンスに満足していない」との理由で呼ばなかった一方で、本田を招集したのである。

 

 もはや、これは監督の好みといわざるを得ない。ハリルホジッチ監督は本田の選出理由をメンバー発表の席で次のように語っている。

 

「(今季セリエA37節のボローニャ戦で)点を取りましたよね。いつも圭佑を信頼していて間違っていなかったと思わせてくれました。クラブではあまりプレーしていませんが、トレーニングはしっかりしていました」

 

 とはいえ、正直、説得力に欠ける。たかが1試合、活躍しただけではないのか、と。今季のJリーグでコンスタントに活躍している浦和の興梠慎三、川崎の小林悠が選出されずに、なぜ本田なのか、と。

 

 本田への溺愛は、違う見方をすれば「Jリーグ軽視」とも捉えることができるだろう。本田が継続的に代表メンバーに選ばれているのも、きっと欧州組だからだろう。実際、3月の代表メンバーにはアウクスブルクでほとんど活躍している宇佐美貴士も選ばれているのだから。

 

 すべての選手に代表に選ばれる権利がある、門出を開いていると、ハリルホジッチ監督は言っている。しかし、これまでのメンバー選考を見るかぎり、とりわけ国内組にとって日本代表は狭き門になっている。