【16-17チャンピオンズリーグ決勝】歴史は繰り返される。ユーべの敗因はどこに?
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<ガス欠を象徴していたのが途中出場した選手の質>
歴史は繰り返される。
レアル・マドリードとのチャンピオンズリーグ決勝に挑んだユベントスだが、またしてもファイナルで敗戦。92-93~16-17シーズンのチャンピオンズリーグに限れば6回の決勝進出で優勝はわずか1回、チャンピオンズカップ時代も含めると9回の決勝進出で優勝が2回と、とことんと言っても大袈裟ではないほどビッグイヤー(チャンピオンズリーグのトロフィー)にそっぽを向かれている。
結果的に悔やまれるのはペースを掴んだ立ち上がりに先制点を奪えなかったことだ。7分のピャニッチの強烈なシュートがナバスに防がれてなければ……、あるいはユーべが勢いに乗っていたかもしれない。
見逃せなかったのはペース配分。立ち上がりからF1のごとく飛ばしたユーべは前半だけならR・マドリ―ドと互角に渡り合った。いや、互角以上と言ってもよかった。
しかし、後半に入ると足が止まり、防戦一方の展開になってしまった。前線からのプレスはきかなくなり、パスもスムーズに回らない。そうした悪循環のなかでカゼミーロにミドルを決められ、ユーべは心を折られてしまった印象だ。
ある意味、ガス欠を象徴していたのが途中出場した選手の質。R・マドリ―ドがベイル(ウェールズ代表)、モラタ(スペイン代表)、アセンシオ(スペイン代表)に対し、ユーべのそれはマルキージオ(イタリア代表)、クアドラード(コロンビア代表)、ルミナ(ガボン代表)と見劣りするメンバーだった。
実際、クアドラードは退場の憂き目に遭い、一方でR・マドリ―ドのアセンシオは後半のアディショナルタイムにゴールと明暗を分けている。
2年前にバルサとファイナルを戦った時よりもチームの完成度は高く、今季の勢いをもってすればと久しぶりのヨーロッパ制覇もあると予想していたが、ユーべはあっさりと負けた。ここまでくると、もはやトラウマになっても仕方ない。
果たして、ユーべが〝チャンピオンズリーグ恐怖症”を克服する日はくるのだろうか。