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柏のGK中村航輔が5月のJリーグ月間MVPを受賞した意義

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 photo by nteee

 

<こうした賞にはたいていアタッカーが…>

 

 2017年5月のJリーグ月間MVPに、柏レイソルのGK中村航輔が選ばれた。

 

 11節のFC東京戦では太田宏介、続く12節のジュビロ磐田戦では中村俊輔といずれもJリーグ屈指のフリーキッカーの直接FKを阻止。さら、14節の浦和レッズ戦では得点ランクのトップを走る興梠慎三のシュートをほぼ真正面で止めるなど、素晴らしい反射神経とポジショニングで鉄壁の守備を披露しただけに、文句なしの受賞と言える。

 

 こうした賞には、たいていアタッカーが選ばれることが多い。派手なゴール、絶妙なアシストが大きなインパクトを残し、どちらかと言えば地味なボランチディフェンダー、GKが取り上げられるケースは少ないのだ。

 

 実際、今季の2・3月のMVPは浦和レッズラファエル・シルバ(4試合で5ゴール)、4月のそれは同じく浦和レッズ興梠(5試合で5ゴール)だった。脚光を浴びやすいのは紛れもなく、こうしたアタッカーたちなのだ。

 

バロンドールの受賞者を見ても…>

 

 その傾向はバロンドールの受賞者を見ても分かる。ディフェンダーの受賞者はフランツ・ベッケンバウアー(1972、76年受賞)、マティアス・ザマー(96年)、ファビオ・カンナバーロ(2006年)の3人で、GKのそれはレフ・ヤシン(1963年)ただひとり。近年はクリスチアーノ・ロナウドリオネル・メッシのどちらかが受賞している。

 

 なかなかスポットが当たらないGKで、こうした個人賞を獲得することがどれだけ偉大なことか。今回の受賞で、中村は他のディフェンダーやGKに大きな勇気を与えたとも言えるだろう。

 

 5月に限らず、今季ここまでの中村の活躍は本当に素晴らしい。この守護神がいなければ柏もリーグ8連勝という大波に乗れなかったはずだ。

 

 選手選考にいろいろ矛盾がある日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチだが、この6月の代表戦で中村を選出したことは極めて正しい決断だったと思う。活躍すれば代表に選ばれる、それを証明したのが中村だった。

 

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