【コンフェデレーションズカップ2017/ポルトガル対メキシコ戦レビュー】ビデオアシスタントレフェリーの是非が問われそうな試合に…
photo by Nazionale Calcio
<追い詰められたメキシコがそれでも土壇場に追いつく>
ポルトガル 2-2 メキシコ
得点者:ポルトガル=カレスマ(34分)、セドリク(86分) メキシコ=エルナンデス(42分)、モレーノ(90+1分)
【ポルトガルのスタメンと交代選手/4-4-2システム】
GK⓵R・パトリシオ/DF㉑セドリク、③ペペ、⑥フォンテ、⑤ゲレイロ/MF⑭カルバリョ、⑧J・モウチ―ニョ(58分:㉓アドリエン)、⑳カレスマ(82分:⑨A・̪シウバ、⑮A・ゴメス/FW⑦C・ロナウド、⑰ナニ(58分:⑱マルティンス)
【メキシコのスタメンと交代選手/4-3-3システム】
GK⑬オチョア/DF③サルセド(67分:②アラウホ)、⑤レジェス、⑮モレーノ、⑦ラジュン/MF⑥J・ドス・サントス、⑯エレーラ、⑱グアルダード/FW⑪ベラ(57分:⑩G・ドス・サントス)、⑭エルナンデス、⑨ヒメネス(79分:⑲ぺラルタ)
【試合内容】
開始直後からしばらくはポゼッションで攻めるメキシコを、ポルトガルが耐えるという展開だった。20分にはポルトガルがワンチャンスをモノにしたかに見えたが、これはビデオアシスタントレフェリーの判定の結果、ノーゴールに。試合のスコアは動かなかった。
それでもポルトガルは34分に先制。C・ロナウドがエリア内でキープしつつ、右方向にパスを出すと、フリーのカレスマがそのパスを受け、GKとの1対1を制してゴールに流し込んだ。
リードしたポルトガルは、40分にもC・ロナウドのチャンスメイクからカレスマのシュートであわや追加点というチャンスを作る。しかし、その2分後、一瞬の隙からメキシコに追いつかれてしまう。ベラのクロスからエルナンデスにヘッドで合わせられてしまったのだ。
後半はポルトガルもメキシコも譲らない展開となり、しばらくは主導権争いが続いた。58分にアドリエン、マルティンスを同時投入したポルトガルは4-4-2から4-3-3システムに切り替え、C・ロナウドの1トップでゴールを狙った。
前半からボールポゼッションではメキシコが上回っていたが、だからといってポルトガルが劣勢というわけではなかった。実際、ポルトガルは効果的なカウンターから好機を演出。80分にはC・ロナウドのお膳立てからカレスマが強烈なシュート、85分には途中出場のA・シウバがヘディングシュートを放つ。これはいずれも得点にならなかったが、86分には右サイドバックの“伏兵”セドリクのゴールで再びリードを奪った。
しかし、これで試合は終わらない。後半のアディショナルタイム、メキシコはCKのチャンスからモレーノの執念のヘッドで追いついて2-2の引き分け。ポルトガルとメキシコがいずれも勝点1を獲得した。
【感想】
ポルトガルはカウンター気味のサッカーでEURO2014を制しただけに、前半からメキシコに押される展開にはそこまで驚きはなかった。むしろ、ポルトガルのペースかなと思っていた。実際、先に先制するチャンスを迎えたのはポルトガルだった。
20分、C・ロナウドの強烈なシュートからポルトガルが先制したかに思えたが、ビデオアシスタントレフェリーの結果、ノーゴールという判定に。以前なら間違いなくゴールになっていたものがそうではなくなる…。なんとなく味気ない気がした。
両チームともに見張ったのは走りながらのトラップの質。いとも簡単に足もとに収め、スムーズにプレーを展開できる技術の高さは、Jリーグの試合の比にならない。だから、コンフェデレーションズカップのような世界大会はこんな夜中でも観る価値があるのだ。
ここぞというチャンスを逃さないポルトガルもメキシコもまずまずの試合を見せてくれた。少なくとも、昨晩のロシア対ニュージーランドよりは面白かった。
それにしても、ビデオアシスタントレフェリー…。いざ、それを採用した試合を観てみると、なんとも味気ない。ゴールが決まって興奮しているタイミングで、「さて、本当にゴールなのか確認してみましょう」的な感じで邪魔をしてくるのだ。微妙なゴールの度にそんな“邪魔”が入ると思うと…。ビデオアシスタントレフェリーって必要なの?