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【コンフェデレーションズカップ2017/メキシコ対ロシア戦レビュー】退場者、決定機逸…。開催国のロシアが散る

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 photo by Nazionale Calcio

 

 <GKアキンフェエフの痛恨のミスからメキシコが逆転ゴール!>

 

 メキシコ 2-1 ロシア

得点者:メキシコ=アラウホ(30分)、ロサーノ(52分) ロシア=サメドフ(25分)

 

【メキシコのスタメンと交代選手/4-3-3システム】

GK⑬オチョア/DF⑤D・レジェス(39分:㉑L・レジェス)、②アラウホ、⑮モレーノ、⑰ラジュン/MF⑯エレーラ、⑥J・ドス・サントス、⑱グアルダード(70分:㉓アラニス)/FW㉒ロサーノ、⑭エルナンデス、⑪ベラ(46分:⑳アキーノ)

 

【ロシアのスタメンと交代選手/3-5-2システム】

GK⓵アキンフェエフ/DF⑥ジキア、⑤ヴァシン、⑬クトリャショフ/MF⑲サメドフ、⑧グルシャコフ、㉑エロヒン(70分:②スモルニコフ)、⑰ゴロビン、⑱ジルコフ/FW⑨スモロフ(78分:⑳カヌニコフ)、⑪ブハロフ(64分:⑦ポロツ)

 

【試合内容】

 勝つ以外に自力突破がない開催国のロシアは前半6分にあわやPKかというシーンがありながら、主審に流されてチャンスを逸してしまった。

 

 12分にジルコフが放ったミドルも枠を捉えなかったホスト国は、17分にエリア内でスモロフが倒されたように見えた。しかし、ビデオアシスタントレフェリーに委ねた結果、「メキシコのノーファウル」との判定でPKをもらえなかった。

 

 それでもロシアは強引にメキシコのゴールをこじ開ける。24分のスモロフの強烈なシュートはポストに阻まれたが、その流れから最後はサメドフが左足で流し込み、待望の先制点を奪った。

 

 しかし30分、ロシアはメキシコに追いつかれる。ロングフィードに合わせたアラウホのヘディングでゴールを割られてしまったのだ。ロシアはその後も決定機がありながらモノにできず、消化不良の前半だった。

 

 すると、後半、52分にメキシコが逆転弾を決める。エレーラが前線に蹴り込んだボールに素早く反応したロサーノが、エリア内に出てきたGKのアキンフェエフとの競り合いをヘッドで制してゴールに流し込んだ。 

  

 60分のモレーノのゴールこそオフサイドで取り消されたが、そのショックを引きずることなくメキシコは優位に試合を進める。68分にロシアのジルコフがこの日2枚目のイエローカードで退場、さらに72分にはスモルニコフが決定機を外すという“ラッキー”もあり、2-1で勝利したメキシコがグループAの2位で準決勝に駒を進めた。

 

【感想】

 開催国のロシアは不甲斐ない戦いぶりだった。先制こそしたが、そこから何回か決定機を外して勝負弱さを露呈した。とりわけ痛かったのは、1-2で迎えた72分のスモルニコフの決定機逸だった。

 

 勝敗を大きく左右したのは、ひと言で言えば決定力の差だろう。メキシコの選手たちのシュート技術が高く、前半から高い確率で枠内シュートを飛ばす当たりに勝負強さが垣間見えた。

 

 それにしても、ロシアである。2失点目のシーン、なぜGKのアキンフェエフはメキシコのロサーノとヘディングで競り合わなかったのか。ロシアに流れがきていた時間帯にGKの痛恨とも言えるミスからゴールを奪われたら勝てる試合も勝てない。自らゲームをぶち壊した感もあるロシアは、悲劇の開催国になった。