【コンフェデレーションズカップ2017/チリ対オーストラリア戦レビュー】チリと好勝負を演じたオーストラリア。運命の8.31に向けて膨らむのは…
photo by Nazionale Calcio
<したたかだった南米王者のチリ>
チリ 1-1 オーストラリア
得点者:チリ=ロドリゲス(67分) オーストラリア=トロイージ(42分)
【チリのスタメンと交代選手/4-3-3システム】
GK⓵ブラーボ/DF④イスラ、⑬ディアス、⑱ハラ、②メナ/MF⑧ビダル、⑤シルバ、⑳アランギス(46分:⑩P・エルナンデス)/FW⑥フエンサリダ(46分:⑯ロドリゲス)、⑪バルガス(82分:㉑M・ディアス)、⑦サンチェス
【オーストラリアのスタメンと交代選手/3-4-3システム】
GK⓵ライアン/DF⑲、⑳セインズベリー(72分:⑧ライト)、⑤ミリガン/MF⑩クルーズ、㉒アーバイン、㉑ルオンゴ、⑯ベヒッチ/FW④ケイヒル(57分:⑦レッキー)、⑨ユリッチ(62分:⑪マクラーレン)、⑭トロイージ
【試合内容】
前半からチャンスを作ったのはチリだった。ビダル、サンチェス、バルガスを中心にオーストラリアのゴールに襲い掛かる。個々の技術で上回るチリは、引き分けでもグループリーグ突破が決まる余裕もあってか、リラックスしたスタンスで試合を進めた。
一方、この試合で代表100キャップを達成したケイヒルがキャプテンを務めたオーストラリアは、ボール支配率で劣りながらも36分にルオンゴが決定機を迎える。これはゴールにならなかったが、前半の42分に待望の先制点を奪う。
セインズベリーがゴール前でキープしたボールをクルーズが左サイドに流し、これをトロイージがチップキックでゴールネットを揺らした。2-0なら準決勝に駒を進めるオーストラリアは、良い流れで前半を終えた。
2点目を狙いたいオーストラリアだが、チリの粘り強い守備に苦しむ。早めの交代策でレッキーやマクラーレンを投入するも、試合を支配するまでには至らない。
すると、チリが一瞬の隙を突いて同点に追いつく。67分、エリア内でバルガスが頭で落としたボールを、途中出場のロドリゲスが蹴り込み、1-1のタイスコアに戻した。
これで再び余裕が生まれたチリはオーストラリアの攻撃を首尾よくかわし、タイムアップを迎えた。勝点1を積み上げ、グループBの2位で準決勝に進出した(相手はポルトガル)
【感想】
前半はオーストラリアの健闘が光った。南米王者を相手にほぼ互角に渡り合い、先制点まで奪った戦いぶりは評価に値した。
ただ、それでも崩れなかったチリはさすがである。試合の流れが良くなくても一瞬の隙を突いて同点に追いつくあたりは、したたかという他ない。
チリは相変わらず球際の競り合いに強かった。これを日本が真似ろというのはなかなかタフなミッションだ。8月のオーストラリア戦、日本にとってはこのチリ戦がひとつの参考資料になるはずだが、そもそもチリの選手の能力とは根本的に違うような気がした。
今大会のオーストラリアと戦ったドイツ、カメルーン、チリはいずれも日本を凌ぐフィジカルを有していた。だからいとも簡単にオーストラリアからゴールを奪えたのだと思う。コンフェデレーションズカップで決して弱くなかったオーストラリアに、日本は勝てるのだろうか。膨らむのは不安だ。