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【コンフェデレーションズカップ2017】グループA総括。もっとも不甲斐なかったのは…

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 photo by Nazionale Calcio

 

グループA順位表(全日程終了)

1 ポルトガル 勝点7(2勝1分0敗/7得点・2失点/得失点差5)★

2 メキシコ 勝点7(2勝1分0敗/6得点・4失点/得失点差2)★

3 ロシア 勝点3(1勝0分2敗/3得点・3失点/得失点差0)

4 ニュージーランド 勝点0(0勝0分3敗/1得点・8失点/得失点差-7)

 ★=準決勝進出

 

<サプライズなき戦いにワクワク感はない>

 

 戦前の予想どおり、という結果になった。際立っていたのはポルトガルの安定感だった。メキシコとのグループリーグ初戦こそ終了間際に同点弾を浴びたが、ロシア戦、ニュージーランド戦の試合運びはほぼ磐石だった。メキシコ戦以外は、守備をベースに流れを掴み、エースのロナウドのゴールで相手にダメージを与えるという戦い方がまさにはまった。

 

 そんなポルトガルに比べて、2位のメキシコは安定感を欠いた。個々の能力は素晴らしいが、調子にむらがあった。象徴的だったのは苦戦したニュージーランド戦で、エンジンがかかったのは前半の42分に先制されて以降だった。今大会のメキシコは最終ラインの裏を突かれる傾向があり、そうした守備の脆さが不安定な戦いぶりにつながってしまったのだろう。

 

 開催国のロシアは不甲斐ないの一言。結局のところ、ニュージーランドに勝っただけである。サポーターの声援をバックにつけても、ポルトガルやメキシコとは差があった。今大会のロシアは攻撃も守備も中途半端で、まったくと言っていいほど味気なかった。アルシャービン、モストボイといったスターがいた頃のチームと違って、“看板選手”がいないことがなにより寂しかった。

 

 最下位のニュージーランドは主砲のウッドがそれなりに存在感を発揮したが、「弱い」という印象しかなかった。クローズアップされたのは、メキシコ戦での大乱闘といった具合で…。コンフェデレーションズカップにおけるオセアニア地区枠の存在意義を改めて考えさせられた。

 

 「どうせニュージーランドには勝てるでしょ」という“常識”が覆されなかったところは残念。こういう大会が盛り上がるためには意外な伏兵の存在が不可欠なのだ。ポルトガルとメキシコが勝ち上がるのはある意味、当然の結果。ロシアやニュージーランドがこの2か国から勝点を奪うことで起こるかもしれなかったサプライズがまったくなかったという点で、グループAの戦いにワクワク感はなかった。