【2017年ACL決勝】見逃せなかった浦和のカウンターの質。まるでジャックナイフのように
photo by martha_chapa95
ACL決勝の第1戦、アルヒラルとのアウェーゲームに臨んだ浦和は1-1で引き分けた。耐え凌いだという印象の強いゲームだったが、一方で見逃せなかったのがカウンターの質。ひと言で言うと、浦和のカウンターには迫力があった。
先制点(7分)の場面ではラファエル・シルバの個人技が光った。あれだけ縦に突破できるアタッカーがいれば、味方は楽だろう。何人もDFを引き付けてくれれば、フリーになる選手も増えるし、なにより彼がボールを持っている間、DFが一息つけるのも大きい。
以後も押し込まれながら、何回かカウンターからチャンスを作った。浦和のパスワークは丁寧かつスピーディで得点の予感がした。とりわけ素晴らしかったのがCFの興梠とインサイドハーフの柏木。確かに結果に直結するような仕事をしたわけではないが、彼らのトラップ、際どいコースを狙ったパスは明らかにアルヒラルを困惑させた。
アルヒラルからすれば、押し込んでいるようで“喉元にナイフを突きつけられている”ような感覚だったのではないか。11月の欧州遠征(ブラジル戦とベルギー戦)で意図的なカウンターを繰り出せなかった日本代表と違って、この日の浦和は攻守のバランスが噛み合っていたように見えた。
守りに重点を置きながら攻撃まで展開するのは至難の業だ。それをやってのけた浦和は、確かに劣勢を強いられたが、称賛すべきパフォーマンスを披露したと思う。