【17.5.25 ハリルホジッチ監督コメント⑦/質疑応答編③】「“外した”という言葉をあまり使わないでほしい」
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6月7日のシリア戦、13日のイラク戦に向けた日本代表メンバー発表のハリルホジッチ監督のコメント⑥からの続きとなる<質疑応答編③>を紹介する。
<質疑応答編③>
質問:監督のメンバー選びを尊重したうえで質問させてください。ゴールキーパーの西川(周作)選手、ディフェンダーの森重(真人)選手、ミッドフィルダーの清武(弘嗣)選手、フォワードの宇佐美(貴史)選手はこれまで2年以上もずっと仕事をしてきた選手だと思います。彼らを外して新しい選手を入れる時に躊躇や迷いはありませんでしたか?
「彼らを完璧に外したわけではないですよ。今回は他の選手が良かっただけです。私は就任当初から同じ発言をしていますが、より良い選手に資格があるということです。現在のパフォーマンスでチョイスしているだけです。
今野(泰幸)はずっと呼ばれていませんでしたよね? その期間はパフォーマンスが良くなかったわけです。ですが、今の評価はどうでしょう。34歳の選手ですよ。つまり、みんなに門が開いているわけです。ただ、パフォーマンスが良くない時に、自分の立場があると思うのは間違いです。例えばずっとスタメンを張っていた選手を、私は簡単に変更しました。若い選手をプレーさせましたが、彼は良いパフォーマンスを見せてくれましたからね。
選手たちの性格は問題ありませんし、私は大好きです。彼らにもしっかり説明したいと思っています。しっかりトレーニングして良いパフォーマンスをして席を奪えと言うだけです。ただ、外したという言葉を皆さんはあまり使わないでほしいですね。外していませんから。より良い選手を選んだということです。
西川は今まで先発でした。でも、パフォーマンスが良くないので、違う選手を入れた。(川島)永嗣も東口(順昭)も良い試合をしている。パフォーマンスに対して満足できないという考えでチョイスしています。この基準は崩しません。日本で使われていなかったかもしれませんが、私はこうです」
質問:ふたつ聞きたいことがあります。ひとつは乾(貴士)選手の足首の具合がどうか? もうひとつはコンディションが整わなければ今野選手と乾選手はイラク戦に帯同させないのでしょうか?
「 今野は説明したとおり、経過を見ています。毎日電話で連絡を取っています。フィジカルトレーニングを重ねてボールを使いながら、今はグループに合流していると聞いています。それから5月28日にフレンドリーマッチをやるとも聞いています。6月4日にも試合がありますよね。そこまでに上手く行けば、シリア戦に出られるかもしれません。この3つのテストをしたいと思っています。その3つのテストができればイラクで試合ができるかどうかを判断できます。
乾は直接見ているわけではありませんから、昨日帰国して明日検査をすると聞いています。その結果で決まるでしょう。日曜の朝に顔を合わせますから、メディカルスタッフと3者面談をして、もしできないなら他の選手を呼ぶだけです。ちょっとの微妙なことでも他の選手を呼ぶかもしれません。ただ、1週間かけて治る可能性もあります。
フレンドリーマッチとイラク戦はまったく状況が違います。イラク戦には100パーセントの準備ができる選手が必要です。今日の経過だけではすべては言えません。ただ、みんな喜んでいるはずです。A代表に来られたことを。私は競争を生んでいますから。、ワールドカップに向かうためにはもっとレベルを上げて、準備したいと思います」
(日本サッカー協会のYoutube公式チャンネルで生中継された会見で、ハリルホジッチ監督が話した言葉をもとに構成したもの)
ちなみに、今回招集された25人のメンバーは以下のとおり。
GK
川島永嗣(メス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)★
DF
長友佑都(インテル)
槙野智章(浦和レッズ)
三浦弦太(ガンバ大阪)★
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(マルセイユ)
酒井高徳(ハンブルク)
昌子源(鹿島アントラーズ)
宇賀神友弥(浦和レッズ)★
MF
倉田秋(ガンバ大阪)
香川真司(ドルトムント)
山口蛍(セレッソ大阪)
遠藤航(浦和レッズ)
今野泰幸(ガンバ大阪)
加藤恒平(PFCぺロエ・スタラ・ザゴラ)★
井出口陽介(ガンバ大阪)
FW
岡崎慎司(レスター)
本田圭佑(ミラン)
大迫勇也(ケルン)
原口元気(ヘルタ・ベルリン)
久保裕也(ヘント)
浅野拓磨(シュツットガルト)
乾貴士(エイバル)
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★=A代表初選出
※招集メンバー、在籍クラブは5月25日現在。
今回ハリルホジッチ監督はそれまで代表の常連だったGKの西川、センターバックの森重、MFの清武弘嗣らを外す一方で、GKの中村、CBの三浦、サイドプレーヤーの宇賀神、ボランチの加藤を初招集。シリアとのフレンドリーマッチで彼らをテストしたい意向もあるからだろうが、意外な人選と言えた。
気になるのはコンディションが整っていないという今野と乾がイラン遠征(イラク戦はテヘランで行なわれる)に帯同できるかだ。もし厳しい場合は、バックアップメンバーから代役が選ばれる予定だ。
ちなみに、日本はアジア最終予選の7節を終えてグループBの首位に立つ。グループBの順位と勝点は以下のとおり。1位/日本(勝点16)、2位/サウジアラビア(勝点16)、3位/オーストラリア(勝点13)、4位/UAE(勝点9)、5位/イラク(勝点4)、6位タイ(勝点1)。
イラク戦に勝ってもまだワールドカップ出場は決まらない。そういう状況もあって、ハリルホジッチ監督は「本番はこれから」的なニュアンスのコメントを今回の会見でしていた。
日本はイラク戦の後に、ホームのオーストラリア戦、アウェーのサウジアラビア戦が控えている。最後に中東勢との一戦を残していることで、ハリルホジッチ監督は6月13日のイラク戦では必勝を掲げている。
6月7日のシリアとのフレンドリーマッチで初招集組の誰が使われるのかも注目ポイントのひとつになるだろう。