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アンダー世代のW杯で「サッカー大国のネームバリュー」は関係ない?

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 photo by muo1417

 

ベネズエラの勝利は極めて妥当な結果だった>

 

 U-20ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で、日本はベネズエラに敗れた。その試合後、友人たちに「なぜ日本はベネズエラに負けてしまったの?」と聞かれたが、最初はピンとこなかった。

 

 なぜそんなことを聞くのかと尋ねてみると、おおよそこんな答が返ってきた。

 

「ドイツやフランスに負けるのなら分かる。でも、ワールドカップでもあまり聞いたことがないベネズエラに負けるなんて思わなかったから」

 

 友人たちは「ベネズエラが弱い」と勝手に思い込んでいたのだ。だが、冷静に考えてほしい。この大会、ベネズエラはグループリーグでメキシコやドイツを破って3戦全勝した“強豪”、対して日本はグループ3位でなんとか決勝トーナメントに残れたチーム。むしろ、日本はベネズエラをよくあそこまで苦しめたと思う。

 

【U-20ワールドカップ】延長戦で崩れた日本と崩れなかったベネズエラ - サッカーの読みもの

 

<ブラジルとスペインは本大会にさえ出場できていない>

 

 アンダー世代のワールドカップに関しては、「サッカー大国のネームバリュー」に惑わされてはいけない。実際、今回のU-20ワールドカップでもブラジルは南米予選で、スペインは欧州予選で敗退。アルゼンチンは本大会のグループリーグで敗退、さらにドイツ(グループB3位)も、決勝トーナメント1回戦でザンビア(グループC1位)に敗れている。

 

 近年、その傾向は顕著になってきた。U-20ワールドカップの優勝国を調べてみると、2015年の前回大会がセルビアで、少し前になるが、09年のそれはガーナだった。ベスト4に進出チームまで広げてみると、15年大会はセルビアの他にブラジル、マリ、セネガル、13年大会はフランス、ウルグアイ、ガーナ、イラクという具合だ。

 

 どこが優勝してもおかしくない。フル代表のワールドカップと違って、アンダー世代の世界大会にはそうした面白みがある。