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【コンフェデレーションズカップ2017/オーストラリア対ドイツ戦レビュー】オーストラリア攻略のヒントを示したドイツ

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 photo by Nazionale Calcio

 

 <ドイツはドイツ。前半はオーストラリアを内容で圧倒した>

 

 オーストラリア 2-3 ドイツ

得点者:オーストラリア=ロギッチ(41分)、ユリッチ(56分) ドイツ=シュティンドル(5分)、ドラクスラー(44分)、ゴレツカ(48分)

 

【オーストラリアのスタメンと交代選手/3-4-3システム】

GK⓵ライアン/DF②デゲネク、⑳セインズベリー、⑧ライト/MF㉑ルオンゴ(46分:⑩クルーズ)、⑤ミリガン、⑦レッキー、⑯ベヒッチ、⑬ムーイ/FW⑨ユリッチ(86分:ケイヒル)、㉓ロギッチ (70分:⑭トロイージ)

【ドイツのスタメンと交代選手/4-3-3システム】

GK⑫レノ/DF⑱キミッヒ、②ムスタフィ、⑯リュディガー、③ヘクター/MF㉑ルディ、⑬シュティンドル(78分:⑭ジャン)、⑧ゴレツカ/FW⑳ブラント(63分:⑰ジューレ)、⑨ヴァーグナー(57分:⑪ヴェルナー)、⑦ドラクスラー

 

【試合内容】

  前半の5分、14年のワールドカップ王者ドイツが先制する。右サイドからのブラントのクロスにシュティンドルが右足でダイレクトに合わせて華麗な一撃を決めた。

 

 これで流れを掴んだドイツは16分にゴレツカがダイナミックなヘディングシュートでゴールを狙えば、20分にはブラントがエリア内の右から強烈なシュートを放つ。右サイドのブラントを軸にオーストラリアを揺さぶり、前半の25分時点でドイツのポゼッション率は60パーセントをこえていた。

 

 ポゼッションサッカーを標榜しながらなかなかつなげないオーストラリアは軽率なミスを連発し、何度もピンチを迎える。ワールドカップのアジア予選で活躍したロギッチもドイツの堅い守備に阻まれ、攻守に精彩を欠いた。36分にセットプレーから迎えた決定機も、セインズベリーが至近距離からヘディングシュートを外してしまった。

 

 ところが41分、それまで沈黙していたロギッチがエリア付近から左足を一閃。まさに弾丸というシュートでゴールネットに突き刺した。

 

 追いつかれたドイツはしかし、44分にドラクスラーのPKで再び突き放す。取られたら取り返す、若手主体のチームとは思えない勝負強さを見せつけた。

 

 ドイツは48分にキミッヒの縦パスに抜け出したゴレツカのシュートで追加点。56分にGKレノのキャッチミスから2点目を奪われるが、慌てない。オーストラリアの勢いを上手く消して、隙があればカウンターからゴールを狙う。

 

 結局、このまま3-2でドイツが勝利。オーストラリアの3バックの裏のスペースを上手く生かしてサイドを崩す攻撃、それもサイド一辺倒になるわけではなく、「サイド→中央→サイド」と小気味よく崩したドイツが、オーストラリア攻略のヒントを示してくれたゲームとなった。

 

 点差こそ1点だが、内容ではドイツがオーストラリアを圧倒していたと言っていい。

 

【感想】

  今回招集されたのが代表経験の浅い選手ばかりとはいえ、ドイツはドイツ。立ち上がりから内容でオーストラリアを圧倒するパフォーマンスを見てた。いわば“2軍”のメンバーでそれをやってのけてしまうあたりは、サッカー大国の底力か。

 

 幅と奥行きを自在に使っていた後半途中までのドイツのサッカーは、オーストラリア攻略の貴重な参考資料になる。ただ、ドイツに比べて体格も球際の強さもテクニックも劣る日本がそれをできるかは明らかに疑問だが…。

 

 世界から見たらオーストラリアも弱小国。分かってはいるけど、2軍のドイツにさえ勝てない現実は残酷すぎる。