【コンフェデレーションズカップ2017/メキシコ対ニュージーランド戦レビュー】ニュージーランドが先制! そして大乱闘の末に…
photo by Nazionale Calcio
<ニュージーランドで悔やまれたのはウッドが…>
メキシコ 2-1 ニュージーランド
得点者:メキシコ=ヒメネス(54分)、ぺラルタ(72分) ニュージーランド=ウッド(42分)
【メキシコのスタメンと交代選手/3-4-3システム】
GK⑫タラベラ/DF③サルセド(33分:⑮モレーノ)(68分:④マルケス)、②アラウホ、㉓アラニス(46分:⑯エレーラ)/MF⑩G・ドス・サントス、⑤レジェス、⑧ファビアン、⑳アキーノ/FW⑰ダム、⑨ヒメネス、⑲ぺラルタ
【ニュージーランドのスタメンと交代選手/3-5-2システム】
GK⓵マリノビッチ/DF⑤ボクサル、㉒デュランテ、⑳スミス/MF⑯インガム(82分:⑬パターソン)、⑮ルイス(58分:⑥トゥイロマ)、⑧マクグリンチー、⑭トーマス、③ワイン/FW⑪ロハス(73分:⑦バルバルセス)、⑨ウッド
【試合内容】
ポルトガル戦から8人もスタメンを入れ替えたメキシコは、なかなかリズムに乗れない。前半の8分にはニュージーランドのセットプレーからピンチを迎えるなど、苦しい試合展開を強いられた。
27分にはセンターバックのサルセドがエリア内でうずくまるなか、ニュージーランドのウッドに決定機を作られるが、これはどうにかGKタラベラの好セーブで防ぐ。31分のコーナーキックからのピンチも凌いだメキシコはしかし、42分、ルイスの縦パスに反応したウッドに先制点を許してしまった。
後半の頭からエレーラを投入したメキシコは、アグレッシブに攻撃を仕掛ける。そして53分の大ピンチ(ニュージーランドのウッドがGKと1対1になったが、ゴールならず)を経て、54分、アキーノの突破から最後はヒメネスの強烈なシュートで追いついた。
68分にワールドカップ出場4回を誇る重鎮マルケスも投入したメキシコは、72分、またしてもアキーノ突破から今度はぺラルタが左足で蹴り込んだシュートでついに逆転した。
その後いくつか決定機を作ったメキシコはそれでも追加点を奪えず、逆に追いつかれそうなピンチもあった。そうした緊迫した状況下で、後半のアディショナルタイム、大乱闘が起こる。メキシコのレジェスがニュージーランドのボクサルを強引に止めようとしたのがきっかけで、まさかのバトルが勃発した。
試合はメキシコの勝利に終わったが、なんとも後味の悪い結末だった。
【感想】
ニュージーランドは勿体ない試合をした。ウッドがゴール以外の2度の決定機をモノにしていれば、あるいは勝てていたかもしれない。
メキシコで光ったのは左サイドのアキーノ。快足を生かしてサイドを切り裂くドリブルは一級品で、素晴らしいパスから2アシストと決定的な仕事をして、強烈なインパクトを残した。
ニュージーランドが善戦したという意味でなかなかの好勝負だったが、最後の大乱闘が余計だった。メキシコもニュージーランドも結構な殴り合いをしていただけに、あとあと複数の選手が処分される問題にならなければいいが…。
それにしても、メキシコという国はしたたかだ。後半アディショナルタイムの“あの場面”、レジェスがニュージーランドのボクサルのドリブルをユニホームを引っ張って止めなければ大ピンチに陥っていた可能性はある。クリーンなイメージが先行する日本だったら、ああした場面でイエローカードを覚悟で止められるだろうか。甚だ疑問だ。