WOWOWからスカパー!、そしてDAZNへ。サッカー放映権の勢力図が変わるなかで、来年のワールドカップ放映権はどうなる?
<かつてはWOWOWが欧州サッカーを“牽引”する存在だったが…>
2017年6月15日、ライブストリーミングサービスの「DAZN」がチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、UEFAスーパーカップの全試合放映権を獲得したと発表した。契約期間は2018-19シーズンからの3シーズン(20-21シーズンまで)だ。
チャンピオンズリーグと言えば、かつてはWOWOWで放送されていた。当時のWOWOWはセリエA、EURO96なども放送しておりヨーロッパ―サッカーを“牽引”するような存在もあった。
1997-98シーズンからヨーロッパ最高峰のコンペティションであるチャンピオンズリーグを放送することで、「海外サッカーならWOWOW」と印象付けた。
ところが、そのWOWOWからスカパー!(JSPORTSとフジテレビと3社で)がチャンピオンズリーグの放映権を“強奪”する。真相は定かではないが、このコンテンツをWOWOWから手放すことはないわけで、そう考えると、放映権料を高額で買い取るなどしたのではないかと推測できる。
スカパー!は2006-07シーズンより単独で放映権を獲得。ワールドカップの全試合も放映するなどして「サッカーならスカパー!」と印象付けるのだ。セリエAやブンデスリーガ、プレミアリーグなども放送し、勢力を拡大していく。
しかし、WOWOWはリーガ・エスパニョーラを独占放送し、EUROも引き続き放映している。「欧州サッカーならWOWOW」から「リーガとEUROはWOWOW」となったが、コアなサッカーファンには愛されている。
そんな「スカパー!×WOWOW」に割って入ってきたのが、DAZNである。Jリーグの独占放映権を獲得したほか、セリエA、ブンデスリーガ、そしてリーガも放映しているのだ。そして今回のチャンピオンズリーグ放映権獲得の話である。
こうなると、ワールドカップも、EUROも今後はすべてDAZNに支配される可能性はある。DAZNは豊富な資金力で、Jリーグ、チャンピオンズリーグの放映権を獲得していたきただけに、来年のロシア・ワールドカップでも札束攻勢を仕掛けそうだが…。