【日本代表】サウジ敗戦は本当に追い風なのか？ むしろこれで精神的に優位に立ったのは…

 photo by muo1417

＜オーストラリア戦でのドローにまるで価値はない＞

　日本が8月31日にオーストラリアと戦う前に、サウジアラビアがUAEに敗れた。これでワールドカップ・アジア最終予選のグループB上位3か国の順位は以下のようになった。

1位 日本（ 勝点17／5勝2分1敗／15得点・６失点）

2位 サウジアラビア（勝点16／5勝1分3敗／16得点・10失点）

3位 オーストラリア（勝点16／4勝4分0敗／14得点・８失点）

　オーストラリアに勝てばワールドカップ出場が決まる日本は、サウジがUAEに負けたからといってそこまで優位に立ったわけではなさそうだ。オーストラリアに引き分けても、予選突破が決まるわけではなく、単に勝点１を積み上げるだけなので、結局のところ、本大会に行けるかはアウェーのサウジアラビア戦に持ち越しということになる。

　そもそも、何が起こるか分からないアウェーのサウジアラビア戦まで引っ張りたくないからオーストラリア戦が非常に重要なわけである。確かにオーストラリアに負けても、最後のサウジ戦を引き分ければオーケーという状況ではあるが、気候的にも過酷なサウジで勝点1を掴むのもなかなか困難なミッションなのだ。

　むしろサウジ戦を引き分ければオーケーという油断が日本のリズムを狂わせ、ホームでオーストラリアに敗れる事態もありうる。むしろサウジにUAEを叩いてもらって、オーストラリアに是が非でも勝たないといけない状況を作ってもらったほうが、日本はむしろ戦いやすかったのかもしれない。

　サウジがUAEに敗れて大きな恩恵を受けるのはオーストラリアだろう。日本に勝たなくても、引き分ければサウジを抜いて2位に浮上できる。引き分けに価値がない日本と違って、オーストラリアは日本戦でのドローが大きな価値を持つ。

　ちなみに、オーストラリアが最終戦で対峙するのは、グループBの最下位のタイ。しかもホームで戦えるアドバンテージがある。

　決して追い風など吹いていない。サウジ戦まで持ち越してはいけないという事実を改めて認識すべきだ。次は、ない。オーストラリア戦で決めることができれなければ、待っているのは地獄のサウジ戦だ。