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鹿島の石井監督が電撃的に解任。クラブの決断は妥当だったのか?

鹿島サポーターからは「クラブの対応が冷たい」という声をあるようだが…>

 

 17年5月31日、鹿島アントラーズ石井正忠監督を解任した。ACLの決勝トーナメント1回戦で広州恒大に敗れた翌日のことだった。

 

 このタイミングでの解任は妥当だったのか。個人的には、クラブの決断を支持したい。鹿島の悲願であるアジア制覇が絶たれたのだから、チームを束ねる立場にある監督が相応の責任を負うべきだ。しかも、今季は12試合を消化したJ1リーグで7勝5敗の7位に甘んじており、その5敗はすべてホームという失態なのである。

 

 J1連覇とアジア制覇を目標に掲げながら、その両コンペティションで結果を出していないのだから、解任されて当然だ。鹿島サポーターからは「クラブの対応が冷たい」という声をあるようだが、なにをもって「冷たい」のか。

 

 プロの世界、結果がすべてだ。頑張りました、一生懸命やっています、では通じない世界なのだ。これはプロの世界に限らず、サラリーマンの世界もそうだろう。例えば営業マンならどれだけ売り上げを出したかで評価が決まるわけで、売り上げもなく「これだけ頑張ったのに認めてもらえない」というのは言い訳に過ぎない。

 

 鹿島に話を戻せば、石井監督がチームを掌握できていない状況は昨季から感じられた。俗にいう“金崎事件”(昨季の湘南戦で金崎が途中交代に怒って石井監督に激怒)が結局のところ尾を引いたようで、それもあってクラブは解任に踏み切ったという。

 

 昨季にJ1を制し、クラブワールドカップで準優勝したことから石井監督を続投させたのも正しい判断なら、結果が出なくて首を切るのも正しい決断だ。鹿島はある意味、プロフェッショナルなクラブだと思う。

 

<マンネリ化が進む広島も監督交代に踏み切るべきでは?>

 

 むしろ、不思議なのはサンフレッチェ広島。J1で16位に沈んでいるにもかかわらず、森保一監督を解任しようという動きがあまり感じられない。今季の広島は持ち前のパスサッカーがどこか影を潜め、最終ラインからスムーズな組み立てが例年より減っている。相手に研究され、マンネリも見て取れる現状を打破するには監督交代こそもっとも有効的な手段のはずだが…。

 

 おそらくJ1に残留はできるだろう、そう広島のフロント、監督、選手たちが思っているのなら、大きな落とし穴にはまるかもしれない。過去、FC東京ガンバ大阪セレッソ大阪が降格した時も、同じような雰囲気を感じ取れた。

 

 広島のフロントにもプロフェッショナルな決断を求めたい。