サッカーの読みもの

サッカーの基礎的なこと、Jリーグ、世界のサッカーを語る

【Jリーグ考察】ペトロヴィッチ、ネルシーニョ…相次ぐ解任劇。その背景には?

f:id:treikax:20170613172619j:plain

 photo by martha_chapa95

 

<今季J1での監督解任はすでに6人>

 

 2017年8月16日、神戸のネルシーニョ監督が成績不振により解任された。これで今季のJ1リーグで更迭の憂き目に遭った指揮官は、なんと6人目。昨季のJ1で首を切られたのが3人なので、これは大きな驚きだろう。

 

 なぜスパスパと監督の首を挿げ替えるとかといえば、その背景にはやはり“DAZNマネー”があるだろう。DAZNの参入によりJリーグが約2100億円の放映権料を手にしたことで優勝賞金などが増大。加えて、強化配分金なるもの(細かい設定内容は分からないが、優勝すれば3年間で約15億円もらえるらしい)も設置されたことで、Jリーグの各クラブは例年以上に成績を気にしている。

 

 つまり、上位に食い込めば莫大なマネーを手にできるし、下位に沈んでJ2に降格するだと金銭的な恩恵を受けられないのだ。これでいずれどんなことが起きるかといえば、持つ者と持たざる者の差、いわゆるクラブ間の格差が生じる。

 

 分かりやすく言えば、日本にもビッグクラブが誕生する可能性があるということである。このチャンスを絶対にモノにしようと、各クラブが躍起にやっており、だから成績が悪くなると監督交代で素早くチームを再建しようとしているのだ。

 

 今季、優勝できるかできないか、上位に食い込めるか食い込めないか、J1で残留できるかできないかで、クラブの“その後の人生”が変わる。いわば変革初年度の今季は、各チームにとって勝負の年。だから、どんなことをしてもDAZNマネーを手にしたいのだ。

 

 そう考えると、監督にはより結果が求められる。昨季は降格した福岡の井原正巳監督、湘南の曺貴裁監督は首を切られず、今季も指揮を執っているが、そういう事例はこれから少なくなるかもしれない。