【日本代表】ハリルホジッチ監督の采配は本当にダメ? 見逃せない“8年周期の法則”
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<最終予選でもビビらずに若手を起用している>
1-1のドローだったイラク戦(17年6月13日に行なわれたワールドカップ・アジア最終予選))の結果を受け、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がだいぶ叩かれている。まあ、仕方ないだろう。森重真人などを外す奇妙な選手選考で、原口元気をトップ下などに起用する奇妙な戦術で結果を出せなかったのだから。
ただ、だからといってハリルホジッチ監督のすべてを否定するような報道はどうかと思う。2015年3月の就任当初からハリルホジッチ監督はチャレンジを続けてきた。いきなり代表最多キャップの遠藤保仁をメンバー外とし、ワールドカップ・アジア最終予選の初戦(UAE戦)で若手の大島僚太を先発に抜擢、昨年11月のサウジアラビア戦では本田圭佑をスタメンから外すなど、チームの新陳代謝を図ってきたのだ。
かなり保守的だったアルベルト・ザッケローニ監督に比べてアグレッシブな采配を見せているハリルホジッチ監督は、選手間の競争意識を高めるという意味で“正しい道”を歩んでいるのかもしれない。
より分かりやすく言えば、メンバーをほぼ固定化し、ワールドカップ本大会で混乱に陥ったザッケローニ監督よりも、ハリルホジッチ監督は長期的な視野に立ってチーム作りをしているということだ。最終予選でもビビらずに若手を使っている積極性は、むしろポジティブに映る。
<“8年周期の法則”を信じれば…>
とはいえ、予選を突破できなければ元も子もなくなる。ハリルホジッチ監督の采配が評価されるとすれば本大会出場を決めた後だ。
ハリルホジッチ監督は14年のブラジル・ワールドカップでアルジェリア代表を率いてベスト16進出という快挙を成し遂げた。この監督が真価を発揮するのは予選よりも本大会のような気がする。
その根拠は戦い方。縦に速くカウンター気味のサッカーは、弱者が強者を倒すために使う戦術だ。それをアジアレベルでもやろうとするから、今はちぐはぐ感が否めない。
アジアだけなら、日本は強国。本田圭佑がもっとポゼッションを意識してもいいと進言するのもそういう背景があるからではないか。
少し話が逸れたが、ハリルホジッチ監督の采配がダメかと言われれば、現時点ではそうなのかもしれない。ただ、ワールドカップ出場を決めた後は少し期待していいかもしれない。
振り返れば、2002年の日韓ワールドカップでベスト16、2010年の南アフリカ・ワールドカップでもベスト16。“8年周期の法則”を信じれば、2018年のロシア・ワールドカップで日本は躍進できるのだ。
ハリルホジッチ監督が日本の救世主になる可能性はまだまだある。