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【17.9.28 ハリルホジッチ監督コメント⓵/メンバー発表の冒頭部分】「追跡した選手の中にも3人ほど怪我人が出てしまいました 」

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  photo by muo1417

 

 17年9月28日の日本代表メンバー発表(対ニュージーランド/10月6日、対ハイチ/10月10日)でのハリルホジッチ監督のコメントの<冒頭部分>を紹介する。

 

<冒頭部分>

「ワールドカップまで9か月の準備期間があります。ここからはまったく別の世界に足を踏み込むことになります。日本のチームは大きな意欲をもって挑んでほしいと思っています。ロシアの美しい街並みを見るだけでなく、しっかり結果を残さなければなりません。勝利あるいは引き分けという結果を残さなければいけません。成功を収めるためには我々は現時点からしっかりレベルを上げることを目指さなければなりません。

 

 次の合宿のテーマのひとつがチームの成長です。この合宿から準備は始まります。もちろん。それぞれのクラブで、それぞれのやり方でプラスアルファの努力をしてもらいたい。ワールドカップのことを考えながらそうしてもらいたい。非常に心配なのは怪我人が多いことです。今回の合宿に向けて追跡した選手の中にも3人ほど怪我人が出てしまいました。柴崎、大島、そして最近好調だった横浜の齋藤。怪我人は大きな問題になることもあります。

 

 海外でプレーしている選手は、不運なことにポジション嵐で苦しんでいる選手が多いです。クラブでのポジションを勝ち取る努力をしてほしいです。何人かの選手たちとは話をしました。それぞれのクラブで試合に出なければワールドカップのメンバーは確約できないと。ロシアで結果を残すために選手一人ひとりが努力しなければならない。以前にも言いましたが、第3段階に入っています。ワールドカップです。これが一番最も厳しく、最も難しい。

 

 しかし、もっともエキサイティングでもあります。世界最高と言われるチームと対戦するチャンスが来るんです。そのようなチームと対戦すれば、自分たちの弱点も見えてきます。弱いチームと対戦するのでは見えないところも見えます。そのためには個人としても組織としても、フィジカル、メンタル、戦術的にもしっかり準備していかなければいけません。どのチームもリスペクトしながら、自分たちの力を信じて力を求めていかなければいけません。

 

 難しい時に私は、例えばサウジア戦、オーストラリアとの2試合、試合終了間際に蛍が点を取ったイラク戦、アウェーのUAE戦。そのような難しい試合でこのチームは気質を見せることができました。しかし同時に最終予選初戦の敗戦も忘れることはできません。もちろん、すべては私の責任です。フロントの方々、スタッフ、選手たち、そしてジャーナリストの表情を観ますと、非常に暖かく接していただいていると感じます。町中を歩くときに特に感じます。皆さんにとってはそこまで重要なことではないかもしれませんが、出かけた時にサポーターの方に信頼されていることを感じます。それに感謝したいと思います」

 

日本サッカー協会Youtube公式チャンネルで生中継された会見で、ハリルホジッチ監督が話した言葉をもとに構成したもの)

  今回ハリルホジッチ監督が選んだ24人には、大迫や吉田など常連メンバーが結構入っていた。ニュージーランド、ハイチという対戦相手のレベルを考えると、もっと新戦力を試していいのではないかという疑問もあったが、結局、A代表初選出は川崎の車屋だけだった。

 

 11月にはブラジル、ベルギーとの親善試合も決まり、ワールドカップへの準備が本格的に始まろうとしている。最終予選からそこまでメンバーをいじらなかったということは、今回の連戦で良いパフォーマンスをした選手がその11月の海外遠征に名を連ねることになりそうだ。

 

 もっとも、10月の連戦でパフォーマンスをチェックしたかったのは柴崎、大島、齋藤あたりだろう。その意味で、彼らが怪我で選ばれなかったことは痛恨だ。ハリルホジッチ監督は本大会に向けた最初の一歩から困難と立ち向かうことになったという見方もできるだろうか。

 

 いずれにしても、ニュージーランド戦とハイチ戦で注目すべきは個のパフォーマンスだ。ハリルジャパンにどんな武器をもたらすか。そこが最大の焦点になりそうだ。