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【日本代表】香川真司は必要なの? かぶるのは2010年W杯の中村俊輔

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 photo by muo1417

 

<香川は周りに合わせるより、合わせてもらうタイプ>

 

 やっぱり香川はフィットしないなあと、ニュージーランド戦やハイチ戦を観てそう思った。香川がダメというより、彼のプレースタイルに合う選手がいない。

 

 香川がボールを持っても、それに連動するようなプレーをする選手はいないし、どこかやりにくそうな感じさえうかがえる。そもそも、デュエル(決闘の意)やフィジカルを重視するヴァイッド・ハリルホジッチ監督のやり方に香川は合っていないのではないか。

 

 おそらくハリルホジッチが好きなのは山口蛍、井手口陽介といったタイプ。テクニカルというより、走れて、ボールを奪えて、さらに攻撃にまで絡めるMFだ。「チームこそスター」を明言しているハリルホジッチ監督の下では、“王様気質”の香川は輝けないと思う。

 

 香川は周りに合わせるより、合わせてもらうタイプ。チームの中心に彼を置いて、上手く機能するように周りの駒を選定していく。香川を活かすにはそういうやり方がベターなはずだが、ハリルホジッチ監督の下ではあくまで「11分の1」であり、その攻撃力が生かされていない。

 

 ハリルホジッチ監督がワールドカップ本大会でガチガチに守りを固める戦い方を選ぶなら、正直、香川はいらない。ベンチに置いて不満分子になるようなら、いっそのこと選ばないほうがいい。

 

 いずれにしても、香川は代表チームでひとつの岐路に直面しているのは間違いない。エースというのは扱いが難しくて、かつて日本代表では中村俊輔が戦術に合わずスタメンから外されたケースがある。そう、2010年の南アフリカ・ワールドカップの時である。

 

 当時の日本は守ってカウンターを地で行くチームで、中盤、前線にはテクニックよりも走力、スタミナ、守備力が求められた。そこで“犠牲者”になったのが中村だった。本人からすれば「そうではない」となるかもしれないが、あくまで外から見ればそんな扱いだった。

 

 果たして、香川はロシア・ワールドカップに辿り着けるのか。メンバー入りさえ微妙になってきたかなと危惧するのは、私だけだろうか。