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【キャプテン翼考察】移籍の何が悪い!シュナイダーから学ぶ「プロのスタンス」

f:id:treikax:20170602023032j:plainphoto by chia ying Yang

 

<「ハンブルクへの裏切り行為だ!」と批判されたシュナイダーだが…>

 

 サンフレッチェ広島塩谷司UAEアルアインに移籍する。これで年俸は3倍、4倍にも増えたと報道されており、「お金のために移籍したんじゃないの?」と批判的な見方もする方もいるだろう。

 

 だが、それのどこがいけないのか? 「お金」だから聞こえは悪いが、UAEはそれだけ塩谷の実力を評価していたのである。そんなクラブに移籍して何が悪いのか?

 

 キャプテン翼では、ドイツの若き皇帝カール・ハインツ・シュナイダーが“プロのスタンス”を示している。キャプテン翼単行本の25巻、ハンブルクのジュニアユース所属のシュナイダーはチームメイトにこんなことを言う。「おれのバイエルンへの移籍が正式に決まったよ」と。

 

 これに対して、チームメイトは猛反発。「小さいころからこのクラブで育ってきたじゃないか」「いわば生え抜きなのになんでよそのチームに」「これはハンブルクへの裏切り行為だ!」などと詰め寄られるのだ。

 

 しかし、シュナイダーは微動だにしない。「ただ、単にバイエルンのほうがおれの力を高く評価してくれているだけだ」と移籍決断の理由を淡々と述べる。

 

 シュナイダー曰く、バイエルンは彼を来季からブンデスリーガにデビューされると言っている。「それだけバイエルンはこのおれの力を認めてくれているんだ」と、シュナイダーはその点を改めて強調している。

 

<シュナイダーが実在していれば中国移籍も…>

 

 シュナイダーのスタンスはこうだ。「俺の力を高く評価してくれればどこへでも行く」「そしてそのチームでベストを尽くす」。シュナイダーが実在していれば、もしかすると、中国の金満クラブに移籍していたかもしれない。

 

 それにしても、バイエルンの移籍を決断した当時のシュナイダーは、15歳。中学3年で「プロのスタンス」を示してくれるとは天晴である。

 

 ローマ一筋だったフランチェスコ・トッティのように、ひとつのクラブで生き抜くのも決して間違いではない。ただ、それが唯一の正しい道かと言われれば、そうではない。果たして、一筋ではないとはいえ長らく在籍した広島から離れ、UAEへと旅立つ塩谷の決断は間違いだったのか。いや、断じて違う。

 

 塩谷はプロとして正しい道を進んだと思う。